前回、ロットとレバレッジとは何かで、レバレッジを使って、口座にあるエクイティよりも非常に大きな金額をコントロールできることを述べました。ここでは、それを行う方法を説明します。
一般的に、あるものの価格が1万ドルならば、それに対して1万ドル支払う必要があります。これは常識です。しかしFX市場で取引する際は、購入しようとするものに必要な全ての金額を支払う必要はありません。入金すべきなのは、潜在的な損失をまかなえる金額だけです。この入金のことをマージンと呼びます。
マージン(必要証拠金)はFX通貨市場において、ポジションを開いて維持するために必要な入金額です。これは手数料や取引コストではなく、取引を開始するための入金額として口座残高の一部が割り当てられているだけです。
マージンにレバレッジをかけて、ロットサイズが決まります。マージンは取引口座から来る実際のお金です。
例えば、1マイクロロットもしくは1000米ドルに相当する0.1ロットを取引したいとします。FXブローカーは50:1のレバレッジを提供しているとします。この1マイクロロットを動かそうと思えば、約20米ドルのマージンを口座から出す必要があります。
マージンは、取引で利益を出しても損失を出しても元に戻されます。
必要なマージンは、ブローカーが提供するレバレッジと一致します。取引を開始するために必要なマージンは、ポジション全額に対するパーセンテージとしても表現されます。
例 1: A 50:1 レバレッジ率の場合、必要マージンは 1/50 = 0.02 = 2%。
例 2: A 100:1 レバレッジ率の場合、必要マージンは 1/100= 0.01 = 1%。
ブローカーに入金が必要な必要マージンを計算するには、下記の公式を使います。
必要マージン = 契約サイズ x ロットサイズ x 価格 / レバレッジ
下記の例を考えてみましょう。
つまり、ポジションを開くために、488米ドルを証拠金として口座に入れておく必要があるということです。そうでなければ、マージン不足として注文は拒否されます。
FX取引におけるエクイティ(有効証拠金)とは、口座残高と、未決済ポジションの未実現の利益もしくは損失を合計したものです。口座のエクイティとは、口座内の資金全体の事をさします。
フリーマージン(余剰証拠金)とは取引口座にある資金で、新しいポジションを開くのに利用可能な資金のことを指します。フリーマージンは、下記の公式で計算されます。
下記の条件でエントリーする例で考えてみましょう。
この取引に必要なマージンは以下のように計算されます。
この取引にエントリーした後、EUR/USD交換レートが1.2100に下落したとすると、100pipの損失、つまり100米ドル分の損失を被ります。
しかし、取引にエントリーした後にEUR/USD交換レートが上昇して1.2300になると、100pipの利益、つまり100米ドル分の利益を得ます。
FX市場において、決済を行うまで、変動する損益は未実現の損失もしくは利益を表します。取引が継続中に表示される利益か損失は未実現の損益です。ポジションがオープンの時には、未実現の利益か損失しか検討できません。取引を決済して初めて、利益や損失が実現します。
マージンコールとは、口座内のマージンが底をついて、トレーダーが追加で資金を投入するか、ポジション決済するかを迫られる状況のことを指します。
一般的に、口座エクイティが必要マージンを下回ると、全ての未決済ポジションはブローカーによって決済されます。ブローカーの中には、トレーダーがその前に全てのポジションを決済できるように、マージンアラートを送るところもあります。
この登録フォームは、ダブルオプトイン(二段階の登録確認)が必要です。登録完了には、Eメールアドレスを確認・認証の必要があります。